就活、部活動での経験

f:id:koheisblog:20200910233900j:plainこの2年間会社の事情で学生にコンタクトをすることが出来ない環境にあった。まだ足元も状況は変わってないが、こうやってブログを始めたことで学生にもリーチできる環境にったため、今日は表題の件に就いて自分の考えを纏める。

 

就活ではよく、学生は学生時代に取り組んだ事と志望動機を結びつけようとする。兎角体育会出身の学生は部活動での自分の経験や担当業務を力説し、得た経験をジョブハンティングの世界にやや強引にコネクトする。

 

正直僕はここに強烈な違和感を感じる。学生コーチとしてウエイトトレーニングの管理担当をしていただとか、チームのデータ分析をしていただとか、こういう事を面接官にアピールする。面接官も就活がそういうものだと思っているせいか違和感を抱いていないようだ。そしてこれが就活の定番になっている。

 

これをアイスブレイクとして面接官が学生に質問をする程度であればいいが、それを面接の解として求め、喋らせるのは不適切な気がする。部活動は部活動であり、ジョブハンティングはジョブハンティングで、夫々全く違う次元のもので、そこに一貫性を求めるほうが不自然だからだ。学生時代はデータ分析を担当していた人が、将来は分析の世界から離れ、経理職につきたいという場合。なぜだかこういうケースでも就活では一貫性を求めようとする。

 

少し話が逸れたが、では就活と部活動が違う次元のものであるからという理由で、部活動での経験を就活というゲームで話す必要はないのか?というと、そうではないと思ってる。就活という世界で定められたルールブックでは、「野球が好きだから野球をやったんです。大学時代は練習だけしかしてません」面接官はこんなバカ正直な話をする学生を許してはくれない。

 

確かにやってきたのはたかがスポーツなんだが、その裏にあるストーリーをシャープに且つ巧みに表現することが重要だ。シャープに伝える、これは立派な能力と僕は考えている。何を面接官に伝え、何を伝えないか。枯山水のような美しさを際立たせる技術、言葉を細かく使い自分の生い立ちをシャープに面接官に伝える必要がある。

 

問題はスキルで勝負する事が難しい体育会学生がなにをシャープに伝えるかだ。上述の通り会社は各々が学生時代に取り組んできたその経験を聞こうと求めているが、それを文字通りに受け取ってはいけない。面接官が投げかけている質問の解、これを深掘りする必要がある。僕は体育会の学生が部活動の経験を話す際、以下の点を押さえるとよいと考えている。

 

1. GRITが高い事をアピール

部活動とジョブハンティングは別次元のもので、そこに一貫性を求めるのは不適切と述べた。ただ社会がその解を求めている以上能書きを垂れていても仕方がない。面倒だし、腹落ちがしないが、答えなければいけない。

 

僕はスキルで勝負することができない体育会の学生はGRITの高さをアピールすべきと考える。根性論かよ、と思った人は是非「GRIT やり抜く力」を読んでほしい。スポーツに限らずあらゆる知的生産活動においてもこの以下の4点は問題解決に必要な能力であると既に証明されている。ノウハウ的な部分はここでは割愛するが、限られた時間の中で結果を出すことが求められる部活動の世界で生きて来たからこそ、GRITの高さをシャープに話し、アピールしたいところだ。

 

・度胸 Guts 困難に挑み、逆境にたじろがない勇気

・復元力 Resilience 挫折から立ち直る力

・自発性 Initiative 率先して物事に取り組む力

・執念 Tenacity どんなことがあっても物事に集中しつづける能力

 

2.  価値あるアウトプットを行う事に於ける創意工夫

スポーツは肉体的且つ先天的な能力が実力に差をつける。一方でビジネスの世界では部活動で2軍だったから一流企業に入らない、そんなことはない。限られた時間の中で価値のあるアウトプットを出そうとする行為は部活動もビジネスも同じだ。一軍に上がるために何をしたのか、どういうストラテジーを組んだのか、トライアンドエラーの中から成長に於いて必要なマインドはなにか。部活動という世界がインプットとアウトプットがイコールで繋がらない世界だからこそ、そこで得た工夫は一般の学生よりも鋭い視点があるはずだ。

 

当然、この2点だけでは不十分で、これだけ押さえておけばいいというものではない。ここをスタートに考えようという程度のものだが、自己分析から始める既存の就活いろはよりもよっぽど意味のある思考時間になると思う。

 

今日はここまで。